かんたん雑記

普通のサラリーマンの普通の日常

ファーゴ FARGO 感想

コーエン兄弟の代表作

 

ファーゴ (字幕版)

ファーゴ (字幕版)

 

 

10年以上前に見た作品だが、2回目、見てしまった。いや、3回目かもしれない。

 

この映画が事実に基づくものだということが僕を魅了したのだろうか。

 

何が面白いのか、何が良いのかわからないまま、もう一回見たくなる映画である。

 

映像はキレイ。だけど、殺人事件が題材なので奇妙な薄ら寒さはある。

 

犯人もわかっているし、特にどんでん返しがあるわけでもない。

 

映画は淡々と進む。

 

何でか見たくなる。

 

あらすじは以下の通り、ネタバレも何もないような気もするが一応ネタバレありなのかもしれない。

 

あらすじー

借金を抱えた自動車ディーラーの営業部長が仮釈放中の従業員にお願いして、従業員の知り合いに自分の妻の誘拐を依頼。偽装誘拐である。

 

妻の父親は当ディーラーの社長であり、金をタンマリ持っている。

 

自分が借金している事を妻にも妻のオヤジの社長にも言えない意気地なしの営業部長。

 

閃いた浅はかな計画。

妻を偽装誘拐し、身代金を妻の父親に払わせ、身代金の一部をせしめて借金を返そうという魂胆である。

 

ところが事は上手くはいかない。

 

依頼した奴ら(2人)はイかれたゴロツキである。上手く行くはずがない。

 

妻の誘拐までは上手くいっ出たのだが、依頼主の営業部長が偽誘拐犯が使うために持ってきた車は登録前の店の車でナンバープレートをつけていなかったため、警察の検問を受けることに。

 

上手くごまかせなかったことに業を煮やした偽犯人の1人が警察官を射殺(殺人1)。

おいっ、そんな事で殺すなー。と見ている僕も、もう1人の偽犯人も思っていた様子。

 

1人殺すとタガが外れるのか、1人も2人も一緒や、という思考に陥ってしまうのか、ここから怒涛の殺人ラッシュ。

 

路上で死んでしまった警察官を隠そうとした際、通りかかりの1台の車に見られてしまい、追跡して、車に乗っていた2人を射殺(殺人2、殺人3)。

 

やっと偽犯人に金を渡すことになったものの、

金を払うのは妻の父親なので、営業部長は頼りないからワシが払うと妻のオヤジがしゃしゃり出でくる。

 

いよいよ、金の受け渡し。

 

金の渡し場に現れたのは依頼主の営業部長ではなく、社長のオヤジだったことに偽犯人(ここでは1人、もう1人はアジトで待機)がパニック。そしてオヤジを射殺(殺人4)。

 

オヤジは射殺される前になんとか偽犯人に一矢報いるも、かろうじて、アゴを横から撃ち抜くまで。

 

偽犯人、アゴからダラダラ血を流しながら金の渡し場である、立体駐車場から出ようとしたが出口で係員に血だらけのところを見られ、係員を射殺(殺人5)。

 

アゴに大怪我をおいながらも、オヤジから金をゲット(これも酷い話で、営業部長と偽犯人との契約では身代金は8万ドルで4万ずつわけるというものだったのに、偽犯人が人殺しちゃったから8万ドル全部よこせと契約違反。営業部長はそりゃないよーと言いながら実は金を払うオヤジには要求額を100万ドルと嘘。ふっかけるのもいいところ。)し、カバンの金を見てびっくり、8万ドルかと思ったら100万ドル入ってるんだもの。

 

「えっ!?こんなに!?」みたいなセリフが何とも間抜け(コーエンさん、狙ったんだろうな。狙い通りです!)で印象深い。

 

さらにこの偽犯人がクソなのはアジトで待機している相棒は8万ドル受け取ると思ってるだろうから、100万ドルあるカバンから8万だけを取り出し、残りを道中の雪の中に埋めて隠す始末。その隠し方もお粗末。リアル。

 

アジトに着いたら、着いたで相棒が誘拐した妻を「騒ぎ出した」という理由で殺してしまっている始末(殺人6)。

 

偽犯人の2人も最初からチグハグで全然仲悪いし、8万を4万ずつ分けて、じゃあねーとしようとする。

 

アゴを怪我した方は「アゴを怪我したんだから代償として車はもらってくよ」みたいな事を言ったら待機側の偽犯人が車も半分ずつだから車代の半額払ってけという。

 

やってられっかーてな感じで別れて車に乗り込もうとするアゴ犯人。

 

それを追っかけて、斧でアゴ犯人を殺すアジト待機犯人(殺人7)。

 

アジト待機犯人がアゴ犯人を何故だか業務用ミキサー?でぐちゃぐちゃにしているところ(グロイシーン)を逮捕される。

 

結局、些細な粗い営業部長の偽装誘拐計画のせいで6人もの人が殺されることとなった。

終わって見て改めて事実に基づいていると知ってゾッーである。

あらすじここまで

 

この話って、誰が悪いかってなると営業部長とイカレタ偽犯人なんだけど、営業部長はこうなることは予想してなかったわけで、こういうのは過失っていうのだろうか。

 

営業部長は最後に逮捕されるのだが、実際どういう罪になるのだろうか。

 

殺人までは行かないにしても、日常にこういう事って溢れてるんじゃないだろうか。

 

起点の人はまさか、こんな結果になるとはと思わなかったけどえらい結果になってしまうという。

未必の故意」とも違うよな。

バタフライエフェクトとも違う、こういう現象を「ファーゴ」と名付けよう。

 

ファーゴが起きたらブログにアップしよう。

 

追記

って、これ実話じゃないそうじゃないかー。

騙された。

しかも、ジャンルはコメディだなんて。

酷いや。

 

追記2

フィクションって後から気づいたんだけど、あらすじ後の僕の感想はひょっとしてコーエン兄弟が言いたかったこと、狙いなのではないかと思った。

 

こういう事は日常でも起きているよと。だからこそ、逆説的にこの話はフィクションで、殺人を題材にしているのではないかと。