最近読んでいた「三体」は上、中、下の「中」で飽きてしまって読むのをやめた。
損切りも大事。
次は何かしらと思いながら、図書館で見つけた本。
「竜馬がゆく」とか「坂の上の雲」とか、学生の頃に読んだ本達を懐かしく思いながら、読んでいる。
エッセイといいながら、やはり、歴史小説家だけのことはあって、歴史のことや、上にあげた作品における取材のことなどが書いてある。
俺の好物はそんなものではなくて、司馬氏の簡単な日常なのである。
彼の新聞記者時代の話や、奥さんのことなど、軽めのエッセイがよい。
2巻に軽めのエッセイがあり、面白かったので記す。
■「私と管理者教育」
戦争時代、司馬氏は、五、六十人の兵と四輌の中戦車を指揮する管理者だったらしいが、管理者としての器量の持ち主ではないと思っていたらしい。
新聞記者時代にも部長までなったが、何度も辞退を願い出て、部下を持たない部長になったとのこと。
すぐ後に、小説家となるため、新聞社を退社するわけだが。
己をよく知っていると言うべきか、ここまでの徹底ぶりは見事であるが、はてさて、天下を論じる歴史小説家が一塊の部署の管理もできないなんて、そんなことがあるのかとも思いつつ、小説家という職業に行き着いたということはそういうこともあるのだろうかと考えた。
プレイヤーと管理職。
俺の職場でも、課員の頃はプレイヤーとしてなかなか優秀だったのだろうが、管理職としてはどうかなぁという人が何人かいる。
司馬氏のように己を知っている人(しかも退社)ならまだしも、それを知らずに、はっちゃけて、管理職をきどっているのは始末が悪い。
大概の会社は、それなりの年齢になると管理職になるのだから、そんな話はゴロゴロしてるんだろう。
自分も気をつけよう。
■「怪我をするな」
司馬氏のまわりに、最近、怪我人が多いという話。
①接待で風俗に行ったら、風呂場で滑って、ガラスをわり、その破片が胸に刺さって重症。
奥さんがいたたまれない、という間抜けな話。
②エレベーターが珍しい時代で、新聞記者の友人が、とある建物に取材に行った際、館長にエレベーターに乗ることを勧められた。
どうぞ、どうぞとお互い譲り合い、押し問答の末、館長が先にエレベーターに乗ることになった。
館長が先に乗り込もうとしたらエレベーターがそこにはなく、館長が地下に落ちて死んだ話。
人はなかなか死なないようであっさり死ぬもんだなぁ。
ということで、暇つぶしにはなかなか良い本なのである。