電車で座った隣の女の人から、生乾き7、柔軟剤3の入り混じった匂いがする。
最近の柔軟剤は多分に香りがする。
その人工的な匂いが嫌いだという人もいる。
どちらかと言えば、俺もそう。
なぜだろう。
それは、電車の女のように、生乾きの匂いとセットになっていることがあるからなのだろうか。
匂いというのは記憶とよく結び付けられる。
生乾きとセットでなくとも、柔軟剤の匂いがそれを呼び覚ますのだろうか。
俺は生乾きの匂いが大嫌いだ。
妻にはいつも言っているのだが、たまに、匂う時がある。
即、洗濯カゴである。
果物は、味よりも温度を大事にする俺が、洗濯物に求めるもの。
汚れより、匂いだ。
匂いこそが、菌の根源なのだ。
泥?そんなのはいい。
汗染み?それは嫌。
なんなのだろう。まぁとにかく、生乾きは嫌なのだ。
生乾きはその匂いだけでなく、洗濯物を早く乾かさなかったという、怠惰な生活の証拠なのだ。
カビ取りよりも、部屋の散らかりを気にする俺が、なぜ、汚れよりも生乾きを嫌うのか。
これは、似て、非なるものなのか。
今日も謎だがとにかく、この女、早く、降りて欲しい。。。